スタッフ育成で社会貢献を目指す、福井発のピザチェーン

アルバイトから社長に。人の和を大切にして、任された仕事に責任と誇りを持つ。

加藤さんのご経歴について教えてください。

私は三重県桑名市の出身です。学生時代は、手に職をつけたいという思いから、工業系の高校に進学しました。 その後、より深く専門的な知識を学びたいと考え、興味のある専門分野の勉強ができる福井工業大学を選びました。
こうして、福井での生活がスタートし、テキサスハンズでアルバイトを始めました。

テキサスハンズさんで働き始めるきっかけはどんなことでしたか？

仲の良い大学の友人に誘われたのがきっかけです。彼と一緒なら楽しく働けそうだとの思いで、この店でアルバイトをすることに決めました。 飲食店でのアルバイトは、お客様とのふれあいがあることにも魅力を感じていたのだと思います。
当時は店内業務だけでなく宅配業務も結構ありましたので、車でのデリバリーも経験しました。 早くから店の一通りの運営業務に携わったことで、店の全体像が見えるようになりました。 また、道を覚えることができたのは、車社会の福井で生活していく上ではとても役に立ちましたね。

大学時代のアルバイト先に就職されたのは、どんな理由だったのでしょう？

一言でいえば、私は誰かと一緒に力を合わせて頑張ることで、やりがいを感じたかったのだと思います。大学院卒業後は、ものづくり企業での
就業を目指しており、電子部品メーカーで派遣社員から正社員になりました。 当時は設備保全職で、人に接することが少なく寂しかったことを思い出します。
そんな中、私の一生懸命に仕事に向き合う姿勢を、アルバイト時代に高く評価してくれていたマネージャーから電話を貰いました。 「鯖江店のオープニングスタッフとして、一緒に店を作ってくれないか」と。
昔以上に熱い想いを語る彼と話すうちに、「もう一度お客様と触れ合いながら、店づくりにかかわってみたい」という気持ちが芽生え、転職しました。 私にとって、誰かと一緒に頑張れることが、とても大切にしたいことでした。

改めてテキサスハンズさんで働きはじめてから、加藤さんにとってターニングポイントとなったことはありましたか？

責任あるポジションをすぐに任せてもらえたことです。主任からスタートし、すぐに店長になりました。 そうすると、楽しいことばかりではなく社内の様々な不満の対応やお客様のクレーム対応の矢面に立つ場面など、責任も増えました。
忙しさから新人教育に十分な時間が取れなくなり、新人スタッフたちから「何も教えてもらえない！」と退職の申し出を受けたこともありました。 この時は店が回らなくなるため、目の前が真っ暗になる思いでした。
そこで、改めて自分のアルバイト時代を思い返しながら、自店の教育をやり直しました。 すると、次第にスタッフの定着率が良くなり、店がうまく回り始めました。 やがて、社内から色々な相談事を受けることが増えていきました。
私は口下手なので、「とにかく聞いて希望をかなえる」ために行動しました。 その結果、2019年6月に社長に抜擢していただきました。
前社長（現会長）の寺尾から、スタッフとの信頼関係を評価していただいたのだと聞いております。
かつてアルバイトだった私が社長になるまで頑張ってこられたのは、人の和を大切にして、その中で自分の任された仕事に責任と誇りをもって向き合ってきた」からだと思います。

人を育てる企業でありたい

加藤さんは仲間をとても大切にされているのですね。
今後は、どのような仲間と一緒に仕事をしていきたいと思いますか？

仕事をチームプレーとしてとらえられるかたと一緒に働きたいです。当社の仕事は、個人戦ではなくチーム戦です。
個人のスキルアップは必要ですが、最終的には全員が助け合わなければ店はうまくいきません。
スタッフ同士、お客様との間での「人の和」を大切にするために、コミュニケーションが必要になります。
私たちに求められることは、対話の中に答えがあります。 まずは、目標に向かって徹底的に話し合える仲間を増やしていきたいです。

加藤さんが面接で応募者に聞くポイントはありますか？

当社に応募されるかたがどのような経験を積まれてきたかを重視しています。
特に、何かの分野で一番になっている人は、その努力の過程を評価します。 当社は毎年ピザの大食い大会を開催していますが、大食い1位でも、なんでもいいのです。 自分なりの成功体験を持っていること、そして成功でも失敗でも胸を張れることが大事だと思っています。
何かに積極的になれた気持ちや体験は、コミュニケーションにも反映されます。
何かの分野に突き抜けた自信がある人が集まり、時にはぶつかりながらもコミュニケーションを取り合うことで、本当に人の和が育つ会社になるのだと思います。 そういう、考えただけでワクワクする会社になっていきたいです。

各スタッフのスキルアップのために、加藤さんがやってみたいことはありますか？

ビジネス基礎からサービス接遇に至るまで、コミュニケーションを円滑にするためのスタッフ教育を充実させていきたいです。
「この会社で働けば、どんな会社でも通用するようになる」という自信が持てるように、スタッフを育てていきたいです。

今後、どんな会社になっていきたいですか？

私たちは、高級店ではなく、大衆店。 敷居の高さを感じる店ではなく、学生さんからシニアの方まで「テキサスハンズでピザ食べようぜ」みたいな感じで気軽に立ち寄れる店です。 私たちの料理を、だれにでも気軽に召し上がっていただける店であり続けたいと思います。
そのために何よりも大事なのは、明るい店の雰囲気です。
まずはスタッフ全員が居心地よく働ける店、なんでも気軽に相談できる雰囲気づくりを進めます。 私自身、「相談を受け」「すぐに力を合わせて解決に動く」ことを評価いただき、社長になるに至りました。
第2、第3のリーダーが育つ、「君と一緒なら、もっとよくなれる。みんなで頑張ろうぜ」と言い合える企業づくりが今の私の仕事です。

スタッフ育成を通じて、社会に貢献したい

スタッフの皆さんと一緒にかなえたい夢はありますか？

お客様のためにできることをみんなで話し合うことで、同じ目標に向かって頑張れる人を育てていきたいです。 創業者の寺尾(会長)は、「ピザを大衆化したい」という想いで、この店を作りました。 店内飲食と持ち帰りのピザを常に宅配価格の半額にするサービスは、日本で初めて当社が始めたビジネスモデルです。
その想いが実り、福井県内では、“高級なもの”ではなく“手作りの安心感のあるもの”として、当社のピザを気軽に親しんでいただいております。 今後は、さらにサービスエリアを拡大し、私たちのピザに対する思いを広げていきたいと思っています。
現在の私の目標は、北陸地方を中心とした店舗展開と集客のさらなる拡大です。 店が増えれば、想いを共有できるスタッフも増やさなければなりません。 まずはスタッフ教育を充実させ、個人のスキル向上を図っていきます。

今後の展望や抱負をお聞かせください。

より働きやすい会社を目指して大改革中です。
おいしさを届けるスタッフがまずは笑顔になるために、会社の制度を変えています。 例えば、すでにスタッフ全員が有給休暇を完全消化しています。 土日の休みも年間合計36回、5連休も年間3回取得できるようになりました。 プライベートも充実できるよう、会社もスタッフを応援しています。
単に休みを増やすだけではなく、“お客様満足度”を下げることなく“スタッフ満足度”の向上を目指す、ある意味とても欲張りな改革です。
そのために、まずは他の企業には真似できないようなスタッフ教育をしていきたいと思っています。 スタッフが育ち、その結果お客様へのサービスが向上し、同時にスタッフが職場に満足することができれば、きっと笑顔の輪が広がります。 お客様とスタッフみんなが笑顔になれることで、地域全体が明るく活性化されると信じています。
私たちはスタッフ教育を通じてサービスを向上させ、笑顔の輪を広げることで、明るい地域社会づくりに貢献していきたいと考えています。